家族
清里美し森2
世界は初めてみる色に一変していた。
わずかずつ、雲はその色を変えた。
暮れるのは、もうすぐだった。
カモシカ
春
フクロウ
フクロウにずっと会いたかった。ここで会えるとは思ってもみなかった。
暗い車中、息を飲み、カメラを手繰りよせた。
秘かな想い
芽吹き
4月28日。芽吹くカラマツ林は時ならぬ淡雪に濡れた。
若い鹿が一頭、野中に迷い出た。
おきなぐさ
「ごらんなさい。この花は黒繻子ででもこしらへた変り型のコップのやうに見えますが、
その黒いのはたとへば葡萄酒が黒く見えると同じです。」-宮沢賢治-
主の木
「主の木」人はそう呼ぶ
天を覆うばかりに、
それは一つの人格と化していた。
空色の夢
樹に捧ぐ
大きな木に背中をあずけ、
ぼくの心は静かだった。
幹の中を吸い上げられてゆく水の音を聴いた。
芽吹き2
もう、うつむくことはしない
願い
ゴジュウカラ
記憶
ある夏の日の記憶。
いのちあるものと無機物とがどこかでつながっているという
この記憶。
水場で
茂みの中からふいに現れた若い鹿。
水を飲みたいけれども、ぼくの存在も気になるようだ。
レンズを通して目が合った瞬間、彼女の姿は視界から消えていた。
四月の朝
残照
光の極みに導かれてゆくことを知った。
胸に、手をあてた。
9月の風
コレスポンデンス
こころの光景
無意識のうちに
人は自らのこころの内奥を
ある一つの光景の中に
重ね見るのかもしれない
家族
キバナコスモス
麦畑で
ノリウツギ
ふたり
慈しむ大地
氷雪の下、目覚めのときを待つ
すべてが、与えられて
11月に
輝いて、輝いて、彼らを育み、
慈しむ地へと舞い降りていった。
リス
森の精
ヤマネコヤナギとメジロ
こぶし
あなたに
ぼくはずっと見ている
今までも、これからも、
ありがとう
ルリビタキ
祈り
清里美し森2
写真展『ああ、慈しむ地よ』
北杜市オオムラサキセンターながさか自然画廊第7回企画展 2005年2月19日〜4月10日
八ケ岳美術館ソサエティ ダイニングルーム常設展 2005年4月〜2006年3月
あずみ野温泉ホテル 2005年6月〜11月
萌木の村 ホテル ハット・ウォールデン ( 山梨県北杜市清里 ) 2006年4月8〜6月4日
洋膳茶房にしき ( 北九州市門司港 ) 2007年9月16日〜9月22日